アジア・アフリカの地域研究の中で、覇権的な外力が地域の固有性と多様性を損ない、相互の共生を破って侵入する例を多数見てきました。このNPOは、その状況に危機感をもち、歪の解決に実践的な働きかけを行いたいと考えるグループがおのずと集まって生まれたものです。それらのグループの活動の方向と形は様々ですが、共通点は、地域の自然環境、地域社会の伝統、そして現地でのフィールド・ワークを重視することです。姿勢の特徴は簡単に言うと、眼は高く、手は低く、今の言葉ではThink
Global, Act Localです。
環境と隣人に平和の実践
世界には環境と文化の異なる様々な国や地域があるからこそ、この星は魅力的なのだと思います。長い歴史のなかで国や地域は相互に切磋琢磨し合って生まれてきたものです。切磋琢磨は地域共同体の伝統を尊重し、共生的、平和的でなければならないと信じます。しかし、環境破壊も粗野な暴力も世界で続いています。というより、どちらも急速に拡大しています。破壊の手段が過去と比較にならない程強大な今、このままでいい筈はありません。
私どもは、環境と他国、他地域に、平和的、共生的に接することを主張します。世界に目を開いて大きな問題を見据える時、多様性の保全こそ解決への道であると実践で訴えたいのです。先人の偉大な教えを、自然との素晴らしい調和を、理不尽さに立ち向かう不屈の闘志を、つつましさに安んじて心ひろやかな生活を、実践してきた人々に交わって、何ができるか見つけ出し、一緒にやってみたいのです。
覇権主義から平和主義へ
現今の最も痛切な問題が環境破壊と戦争であることは疑いもありません。適切な産業社会は必要ですが、必要以上の欲望は自然の破壊に向かいがちです。資源と領土を支配しようとする大国の覇権主義は戦争の惨禍を押し付け、世界をブラックホールへと押しやっています。経済功利主義一本槍の考えと、武力征服一本槍の姿勢が、環境破壊と戦争を生んでいるのです。環境破壊と戦争は別物ではありません。戦争は強烈な環境破壊を行なうし、また利潤を優先する論理は環境破壊を顧みません。両者の根底に共通するのは覇権主義です。自然に対する覇権主義と他地域や他国に対する覇権主義です。
私どもは、このような非道理に挑戦したいのです。環境に対する覇権主義の非道理をフィールドワークであばき、欲に目が眩んだ武力行使に対して平和と正義を求める声に連帯したいのです。貧しさ、弱さを競争の敗者と見る功利主義を否定し、見掛けの豊かさで退廃を隠す覇権者に謙譲と和の心を取り戻し、自然の恵みに安んじることを主張したいのです。環境と平和の保全は圧倒的大多数の人々の願いだと確信します。
この願いを明瞭な大きな声にすることは、個人や個々のグループが孤立していては困難です。環境平和と国際平和に働きかける船団として、もやい合って進む「特定非営利活動法人平和環境もやいネット」を発足する意図はここにあります。個人であれ、団体であれ、志を同じくする人々と、連携したいと願っています。